コラム: 魚類標本の種類 Ichthyological Specimens

 

魚類の標本には液浸(えきしん)標本、剥製(はくせい)標本、骨格標本などがあります。
 液浸標本は魚のからだをそのまま固定液と保存液に浸したもので、学術的な目的で用いられることが多く、当館が所蔵する魚類標本のほとんどはこれです。一部はガラス瓶に入れられて展示室に置かれていますが、魚類の種類を確定する上で重要な特徴の1つである体色がなくなってしまうのであまり展示されることはありません。
 これに対して、剥製標本は魚の主に皮だけを残し、石膏で取った方にその皮を「着せ」て、塗料で色づけをしたもので、展示するには適しています。当館でも展示されている大型魚類標本の主だったものは剥製標本です。
 骨格標本としては、魚類の骨は一般に細かく、その数も多いので立体的な形で展示するのはやや困難です。しかし、小型の標本であれば、液浸状態の魚体の皮膚や筋肉を酵素などによって透明化して、骨格のみを染色するという手法を用いて、内部骨格の立体的な位置関係までをも詳細に観察することが可能となりました。そのような透明骨格標本も今後展示していくことを当館では検討しています。

[ 打木研三 ]


もっとくわしく!
サメ類/サケマス類/コイ類/チョウザメ/海産魚類/深海魚/南極海の魚類
コラム:魚類標本の種類/魚類透明骨格標本の作り方

口絵:イシガレイ透明骨格標本(部分) 水産資料館 所蔵

(C) Museum of Fishery Sciences 2005. All rights reserved.