海鷹丸 第50次航海 東京海洋大学  海洋科学部

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「ペンギンさんそこのけそこのけ海鷹丸が通る6」  1月20日
1月20日「人生にも時化はあります。」

 昨晩、最後の大観測点(観測項目を集中させる地点)に入りましたが、海況が悪く、時間に少し余裕があったので観測は翌朝(つまり今朝)まで延期。船を流しながら天候の回復を待つことに。予想はしていたものの海況はさらに悪化し、今朝4時、風速17 m/s、波高は6.5 m。この海況でできる観測はひとつもなく、04:30船長らと協議し、この観測点C16の予定はすべてキャンセルが決定。この時点で、この航海KARE20の最後の観測点は、一つ前のStn. C15と決定。

 最後の観測点はちょっと気分が盛り上がったり、その晩は集まって呑んだりするものですが、そういうものは一切無く終了。野球でいうと、9回裏同点2アウト満塁でピッチャーのボークで押し出し、悪天候により試合途中でコールドゲーム、あるいはオリンピックの金メダル選手が後にドーピングが発覚しメダル剥奪、うーん、どれも違うか。とにかくあっけない幕切れとなりました。

 この後は、しばらく高緯度海域で、XCTD(使い捨て型塩分・水温プロファイラー)による観測を27マイルごとに行い、南緯60度以北からはCPR (Continuous Plankton Recorder, 曵航式プランクトン連続採集器)を引っ張ります。いずれも船を止めずにできる観測です。観測機器の塩抜き、片付け、サンプルの整理・リスト作りなどやることはたくさんあります。Cruise reportの作成も大きな仕事です。すべて英語で作成するので、英語の苦手な海洋大の学生には最後の試練です。

 大学院生はこの航海に9名が参加しています。学部で4年間勉強し、さらに大学院で何年か勉強し、ここに来ています。海洋大ではいくつかの乗船実習もありますが、ここではもう実習ではなく実戦です。いろんな事と実際に戦わなくてはなりません。観測は12時間交代制とはいうものの、24時間のどこかで何かしら観測が行われています。自分の研究に関係する観測は他人に任せるわけに行きません。そうなれば、気力や体力との戦いです。自分のふがいなさに気づいたり、それを克服するために仲間と協調することを学んだりします。無理をしたり勝手なことをしたりすれば、自分が怪我をしたり、死んだり、あるいは他人を傷つけたりするかもしれません。南極海では、海に落ちたらもう助けられません。親御さんが知ったらびっくりするかもしれませんが、命がけです。こんなところに学生を連れてきてよいものか悩むこともあります。しかし、ここには、来なければ学ぶことができないことも多いと信じています。実際に、学生が航海中に成長する姿を見てそう思うのです。

 最も船首側に位置する私の船室ではピッチング(縦ゆれ)が大きく、時化るといろんな物が移動します。今朝は6本パックのビール(エビス プレミアムブラック)が、「Drink me! Drink me!」と言いながら箱から飛び出してきました。大観測がすべて終わったことをどこかで知ったのですね。私は「よしよし、分かった、分かった」とやさしく声をかけながら冷蔵庫にしまいました。夕方まで待つのだよ。
2017年1月20日(金)

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