海鷹丸 第50次航海 東京海洋大学  海洋科学部

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「ペンギンさんそこのけそこのけ海鷹丸が通る6」  1月12日
「海氷、オキアミ、ペンギン、ビール」

 朝4時から海氷の採取のため、さらに氷縁に近づきます。今朝の日の出は2時半。4時でも辺りはすっかり明るいです。海は誰が見てもべた凪です。海鷹丸は砕氷船ではないので、「デッド・スロー・アヘッド」死ぬほどゆっくり進みます。海氷の役割のひとつを昨日書きましたが、他にペンギンやアザラシの休み場所として重要な役割があります。ホッキョクグマ(シロクマ)にとっても生活基盤のひとつですし、コウテイペンギンにいたっては海氷上で繁殖します。みな海氷がないと困ります。写真は、のんびり海氷上でくつろいでいたのに巨大な白い船に気づいて慌てているアデリーペンギンの図です。見るべきところはかわいい後姿と残された足元のうんちです。赤いのはオキアミの色です。ナンキョクオキアミかコオリオキアミでしょうか。アデリーペンギンにとってオキアミ類は重要な餌のひとつなんですね。

 このペンギンさんたちが乗っている氷は氷縁からバラけて流れ出たものですが、すぐ近くには氷が密集した海氷域が南側に広がっており、そこへは砕氷船でないと入れません。各国の調査チームはこの海氷域に注目し、砕氷船を入れて大規模な観測を行うこともあります。また、無人潜水機による観測技術も徐々に使われるようになってきたようです。このような観測により、これまで考えられていた以上に、海氷下にはナンキョクオキアミを初めとした豊かな生物相が育まれていることが分かってきました。今回我々は、漂流系(ドリフター)を用いて海氷域の観測を試みています。

南極観測船「しらせ」で、12月9日まだ海氷の残る海域に設置したドリフターを、このあと数日後に海鷹丸で回収します。このドリフターのトップにはGPSブイがあり、位置情報が常に得られるようになっています。ブイの下方40 m付近には沈降粒子捕捉装置(セジメントトラップ)がつなげられています。この回収に成功すると、この1ヶ月の間に海氷下あるいは海氷の近傍で、どのような沈降粒子(いわゆるマリンスノー)がどれくらい海中に放出されているのかを把握することができます。これにより、氷がどんどん融けていく初夏の海氷域における、生物の暮らしの一端を垣間見ることができ、生態系における海氷の役割について理解が深まるはずです。

 きのうも、気候変動がどうのと書いたばかりですが、取り急ぎ、このペンギンさんたちのご飯(オキアミ)とベッド(海氷)を健全な状態に保つにはどうすべきか考えてみませんか。今夜あたり。ビールでもやりながら。観測が終わったらね。
2017年1月12日(木)

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