展示解説: オキナエビス Pleurotomariid Slit Shells

 

『オキナエビス』とは古腹足目オキナエビスガイ科に属する巻貝の総称で大ぶりで円錐形から低円錐形、赤みを帯びた鮮やかな概観、真珠層を持つ内面と、殻口に切り込みを持つ点が特徴的です。この殻口の切り込みはアワビ類の貝殻にあいた穴列と相同なもので、肛門、生殖口の開口部の位置と対応したものであり、このグループの原始性を示す特徴のひとつでもあります。
 オキナエビス類は世界の温・熱帯域の水深
100500m付近に生息しており、現在までに世界の海洋から25種、日本周辺からは

オキナエビス
ベニオキナエビス
コシダカオキナエビス
ゴトウオキナエビス
リュウグウオキナエビス
テラマチオキナエビス
アケボノオキナエビス

の6種が知られています。地質時代に大繁栄をしたグループの生き残り、いわゆる『生きた化石』のひとつでもあります。 その希少性と大ぶりで優雅な姿から、蒐集家にとっても憧れの貝のひとつであり、日本近海にも生息するリュウグウオキナエビスは、1960年代当時、 1万ドル(360万円)の値段がつけられたこともあります。


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海老名コレクション/オキナエビス/アワビ類/貝類写真集

口絵、挿絵とも:オキナエビス Mikadotrochus beyrichi, 八丈島北沖黒瀬162m、水産資料館所蔵

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