コラム魚類透明骨格標本の作り方
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How to Make Fish Transparent Skeleton Specimens

 

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魚類標本の種類のページでも少し説明しましたが、透明標本は筋肉を透明化し、軟骨をブルーに、硬骨をパープルに染色することにより、標本を解体せず、立体的な骨格の配置を観察するために使われる標本処理の方法です。
_ここでは魚類の透明骨格標本の作製法を解説します。薬品等、通常では入手しにくいものもありますが、薬局などに依頼すれば入手は可能です。また、透明化するためのトリプシン処理の際に温度管理が必要となります。

1)標本のホルマリン固定と水洗
標本をホルマリン(5%あるいは10%)で固定し,さらに水洗します。
2)軟骨の染色と中和
軟骨染色液(70mlエタノール+30ml氷酢酸+アルシアンブルー20mg)に約半日浸します。これは酸ですので,あまり長期間は浸しません。
3)中和
飽和ほう砂水溶液に数時間浸して,中和させます。
4)トリプシン処理
トリプシン溶液(35ml飽和ほう砂水溶液+65ml水+トリプシン適量)に入れます。標本が半透明になるまでです。
5)硬骨の染色
硬骨染色液(5%水酸化カリウム水溶液+アリザリン適量)に約半日入れます。

_6)脱染
_トリプシン溶液に半日〜1日漬け,アリザリンを脱色します。

7)透明化と保存
まず,0.5%水酸化カリウム水溶液に浸し,ほとんど透明にします。その後,0.5%水酸化カリウム水溶液とグリセリンの割合を3:1,1:1,1:3として液に移し変え,最終的に100%グリセリンに漬けて保存します。

(完 成)

[ 河野_博・茂木正人 ]


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口絵:イシガレイ透明骨格標本(部分) 水産資料館 所蔵

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