東京海洋大学 ミュージアム機構
マリンサイエンスミュージアム
Museum of Marine Science, Tokyo University of Marine Science and Technology
展示案内

 展示解説:魚類 Fishes

「魚類」は一番原始的な脊椎動物
魚類は地球の歴史上最も早くに出現した脊椎動物の仲間です。最初に約5億4千万年前のカンブリア紀に出現したものは顎がなく、背骨(脊椎)もありませんでした。それらの代わりに、角質(硬タンパク質)でできた歯と同じ働きをする器官と、脊索という体の芯になる組織を持っていました。そのような魚類は「無顎類」(むがくるい)とよばれます。この仲間は一時繁栄し、その中には「甲冑魚」(かっちゅうぎょ) などのような大型のものもありました。しかし、何らかの理由で無顎類はやがて衰退し、これに替わって顎が発達した「顎口類」(がっこうるい)とよばれる仲間が繁栄しました。それが現在の「軟骨魚類」と「硬骨魚類」です。軟骨魚類はエイやサメの仲間です。そして硬骨魚類とは我々が普段食用にしたり,水槽に入れて鑑賞したりするほとんどの魚類が含まれるグループをさしています。
 衰退した無顎類は生態系の中に残るわずかな居場所(ニッチ=隙間)を見つけて、それにあわせて体の多くの部分を退化させて、単純な細長いからだとなり、今日でも細々と生活しています。それはヤツメウナギやメクラウナギの仲間として知られています。一方、顎口類では、特に硬骨魚類が今日大変な繁栄をみせています。適応放散により体の形やしくみを非常に様々に進化させて生態系のすみずみまで進出し、多くの種を分化させました。現在は約2万種が存在するといわれています。

 

魚類標本の種類 Ichthyological Specimens

魚類の標本には液浸(えきしん)標本、剥製(はくせい)標本、骨格標本などがあります。
 液浸標本は魚のからだをそのまま固定液と保存液に浸したもので、学術的な目的で用いられることが多く、当館が所蔵する魚類標本のほとんどはこれです。一部はガラス瓶に入れられて展示室に置かれていますが、魚類の種類を確定する上で重要な特徴の1つである体色がなくなってしまうのであまり展示されることはありません。
 これに対して、剥製標本は魚の主に皮だけを残し、石膏で取った方にその皮を「着せ」て、塗料で色づけをしたもので、展示するには適しています。当館でも展示されている大型魚類標本の主だったものは剥製標本です。
 骨格標本としては、魚類の骨は一般に細かく、その数も多いので立体的な形で展示するのはやや困難です。しかし、小型の標本であれば、液浸状態の魚体の皮膚や筋肉を酵素などによって透明化して、骨格のみを染色するという手法を用いて、内部骨格の立体的な位置関係までをも詳細に観察することが可能となりました。そのような透明骨格標本も今後展示していくことを当館では検討しています。

[ 打木研三 ]

 

                         

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